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あやとりトピックス 181-190

「第13回スーパーあやとりの会」 2014/04/15

2月16日 (日) 2時~4時、「第13回スーパーあやとりの会」を千葉中央おやこ劇場の事務所にて開催しました。今回の参加者は、こども4名、大人2名の計7名 (うち父子、母子が各1組)。

まずはみんなで初級の「火打ち石」「見てね!」「バトカ渓谷」に挑戦。その後に上級者は「鮫」「アムワンギョ後編」と続きます。進度は様々ですが、参加者全員がその中のいくつかを自分でとれるようになって終了しています。とりかたのプリントを最後に渡しますが、やはり直接学ぶことに勝るものはないようです。無言でとり続ける人、「できなーい」と叫ぶ人、でもできるとみんなにっこり。みなさんから感想を一言。「いつも使わない脳を使った」「フリーズした」「アムワンギョが難しく、次回また挑戦したい」「難しかった」「息子に負かされた」。親子で参加するのも楽しいですね!

2013年度、私がコーディネーターを務めた千葉市内の小学校の放課後教室で1年[6月~2月]を通じてあやとりのブースを石野稔子先生に依頼しました。毎回10~20人の子どもたちが入れ替わりながら参加し、「ウインク」や「ねずみのかお」などを楽しんで覚えました。稔子先生お手製のラミネートされた「あやとりのとりかた」もとても見やすく、手が足りない時には、そちらを見ながらとる子も多く見受けられました。年間12回、参加総数90人弱の活動でしたが、継続して取り組んだことにより、毎回あやとりを楽しむ子がいたり、たくさんのこどもがあやとりに親しんでいたように思います。

今後も様々な活動を通してあやとりを楽しむ人が増えたら嬉しいです。

木下文子@千葉中央おやこ劇場

「あやとり・まりこ」その8 2014/03/28

《湘南学園幼稚園》

年少の時にはあやとりひもをぐるぐる手首に巻いて喜んでいたり、ゴニョゴニョと指を動かしできた形を「電車」、「すべり台」などと何かに見立てて楽しんでいた子どもたちですから、久しぶりに会っても「後であやとりやるからひもちょうだいね」と声をかけてきます。

どろんこ遊びをしていても砂がついている手で、「「東京タワー」できるようになったよ、後で行くからね」。「ぼく、「4段はしご」おばあちゃんに教えてもらったんだよ」、「おばあちゃんは子どもの時覚えたあやとりを忘れないで教えてくれたんだね。私もそんなおばあちゃんになりたいな~」、「なれるよ!もうすぐおばあちゃんでしょ?」などと、おしゃべりをしながらのあやとりは「あやとりまりこ」を身近に感じてもらえるようです。

「何か教えて!」と張り切る年中さんに、二人で遊ぶ「ペルーのトカゲの口」を見せながらちょっと不気味に「これは手をパクリと捕えちゃうんだよ。さあ手を入れてごら~ん」。両親指のひもをはずすと手首をしばります。トリックのあるあやとりはやっぱり大人気です。早速挑戦。口を作るために親指で押さえ込むところは少々苦労する子もいますが、パクリとやりたい一心で何度もくり返してできるようになっていきます。外で遊んでいる担任を呼び寄せて「この口に手を入れてごらん!」と得意げにパクリ。あやとりができると必ず真っ先に担任に見せに行きます。たくさんほめてもらって自信を付けてまた挑戦します。

女の子に人気があったのは「菊の花」でした。「きれいだから、好き」と誰もが答えます。「ポイントは小指を向こう側にくるりとひねること」、難しい動きです。でも、自分でやりたいと言って取りかかっている子どもたちですから時間がかかってもがんばります。

男の子の中には、友だちのひもとからめ合って動くことを楽しんだり、足の指でもあやとりができるか、確かめてみたりしている姿はまるであやとり研究者になっているようで面白いです。年長の女の子は二人で考えた「魔女の帽子」と名付けたあやとりを何度も見せてくれました。子供って本当にすごいなと感心します。

「「かめ」ができるようになったよ」と見せてくれる子に「かめは連続あやとりだから「かめ→ゴム→飛行機→かぶと→かんざし→手品」と「かめ→ゴム→ヨーヨー」ができるんだよ」と見せると、「口にくわえて動かすヨーヨーがやりたい」との返事。この程度のあやとりに挑戦する子どもには「元の形から親指ですぐとなりのひもをとり・・」などと言葉で説明してもすぐに要領が分かって完成します。

年長さんは例年同様、みんなであやとりに取り組みます。さいとうたま採取・文『あやとりいととり 1~3』(福音館書店) の中から挑戦です。「私は「やさしいゴム」は伸びたり縮んだりするから大好きなんだ」「「富士山」もいい形にできるんだよ。なかなか素晴らしいあやとりですよ」。「「4段ばしご」ができると「5段ばしご」「6段ばしご」もすぐできるようになるよ」、などあやとりの種まきをしておくと、いつの間にか花が咲きます。年長さんが劇「ももたろう」をやると聞いた時には、「川に桃」、七夕の時は「七夕」、ひな祭りには「朝顔→おひな様→トンボ」などを披露しました。「あやとりって何でもあるんだね」と感心していました。クラスの枠を外れて友だち同志で教え合う姿はいつもながら素敵な光景です。

《湘南学園小学校》

ある日のこと、20分の休み時間になると校庭で鬼ごっこやドッジボールなどが始まりました。この様子を石段に座って眺めながらあやとりをしていると、目の前を突っ走って行ったり、ボールを追いかけて来て、「あやとりまりこ」がいることに気づきます。鬼に捕まらないように逃げている子が足をとめて、「「4段はしご」忘れちゃったよ。どうだったっけ」というのであやとりを始めると、「ぼくにもあやとりひもちょうだい!」と仲間が寄ってきました。仲間の鬼の子に「鬼ごっこしてるよね!」と言われて、「ちょっと待って今あやとりやってるから、タイムしてる」と言いながら復習完了。ひもを手にして「タイム切った」と逃げて行きました。チャイムが鳴ると、数人が寄ってきて「今日、来てたんだ。あやとりひもちょうだい」。山吹色の毛糸を切って渡すと、結びながら教室に戻って行きました。「授業中はあやとりはやらない」の約束守っているかな?

学園に行くと保護者の方からも、「子どもから聞いていますよ」、「家であやとりをしていますよ」、「続けてきてくださって心強いです」、などとありがたい言葉をかけていただきます。これからも子どもたちのためにも頑張りたいと思います。

先生方をはじめ皆さん、気ままに出かける「あやとりまりこ」をいつも快く受け入れてくださり本当にありがとうございました。新年度も気ままでいいかしら?よろしくお願いいたします。

青木萬里子@ISFA 2014/03/26

「あやとり・まりこ」その7 2014/03/26

いるか児童クラブ

今年度のメンバーは、1年生から4年生までの76人 (1年生は26人)。月ごとに日程を設定しているので曜日によっては習い事に出かける子があり人数も異なります。前回参加できなかった子もいるので、毎回復習をしながら進めることで自信につなげながらあやとりの楽しさを味わってほしい、と願ってあやとり教室を進めてきました。

《いるか》でのリーダー2年目の順子先生は、みんなに体験してほしい遊びの一つとしてあやとりを一斉活動として取り入れました。結び目のないあやとりひもを先生方で作られたり、発表する機会を作るなど、あやとりの環境作りをされてきました。先生方も小学生の輪の中で、教わったり教えてあげたり感動なさったりと、大きな小学生に変身です。こんな暖かい雰囲気の中であやとりに挑戦しようという子どもたちの意欲を高めることができたのではないかと思っています。

友だちに教えてあげるために移動したり、「あやとりまりこ」に確かめに来たりと、いつの間にかごちゃごちゃになってしまいますが、指先には熱心に取り組んだ成果が出来上がっていて、とても素敵な光景です。次のあやとりに進むときにささやくような声で話しかけても「あやとりまりこ」に耳を傾けてくれます。順子先生の「手を休めてまりこさんのあやとりをしっかり見ること」の約束ごとも根付いて、あやとりが《いるか児童クラブ》の中にじわりと定着してきたのを感じる1年間でした。毎回「あやとりまりこさん!待ってたよ」と、声をかけてくれる元気でやんちゃないるかっ子と先生方の心配りのお陰で14回 (4月、8月は休み) も楽しいあやとり教室ができました。ありがとうございました。

挑戦したあやとりとその様子:

★5月: 「ガイアナのわな」「ザンビアの草ぶきの家」「富士山」「シベリアの家」「アメリカの少女の創作ジッパー」
~「ジッパー」を見せながら「さてこれは何に見えるかな?」。すると「ロケット!」「エレベーター!」「気球!」「木登り!」など色々な見立ての答えが返ってきました。 「あやとりは見る人によって色々に見えるのが面白いね。みんな素晴らしい答えです。」
★6月: 「ギリシャの菱結び」、リクエストで「ポリネシアのアタヌアの家→スカイツリー」
~「紀元100年頃のギリシャの医学書にでていたそうです。とり方のわかっている世界で一番古いあやとりです。顎をのせると・・」、それを見て「包帯の代わりにしたんだ!」「蝶々にも見えるね」。
★7月:6月の復習をしました。
★9月: 「パンパンほうき」「富士山」「山の上のおつきさん」「二人あやとり」
~「京都・法然院の《遊びの寺子屋》で発見したことは、スペインの人たちもシンガポールの人たちも同じように「二人あやとり」をやっていたことです。「二人あやとり」がとれると世界の人と友だちになれますよ」。これを機会に「二人あやとり」がますます盛んになればと願い、取り合う友だちを替えながら楽しみました。やっぱり「二人あやとり」はバンザイです。
★11月: 「ひも抜き」「トレス海峡のトカゲ」「二人あやとり」
~「クリスマスやお正月が近いから手品みたいなあやとりに挑戦しましょう!」。「ひも抜き」では、ひもが抜けない!という子が現れ「さあどうしてだろうね。友だちと取り方を比べてみようか?」「どっちの指からとったの?ポイントは右からだよ!」など友だちからのアドバイス。熱心にやっていると頭の中がもやもやしてきて中指がどの指か、右、左がどっちかすぐに反応しなくなってくる様子。そんな姿が可愛らしいんです。
「トレス海峡のトカゲ」も人気のあやとりで、次回行くと走り寄ってきて「見てみて、ほら」と、するっと抜けたときの得意そうな顔。思わず頭をなでてしまいます。
★12月: 「チベットの日の出」「2本ぼうき→干し柿」
~「〈かえしどり〉という取り方を覚えると、できるようになるあやとりが増えてきますよ」。「2本ぼうき→干し柿」は最後に干し柿をパクッと食べるところがお気に入り。すごく人気があり何度も「干し柿やりたい」とリクエストされました。
★1月: 「トレス海峡のトカゲ」「トンネル (=ハワイの「塩の家」)」「4段はしご」
~「かえしどりができるようになったから「トンネル」に挑戦です。ここからは「はしご」にでてくる取り方と同じです」。この時期になると言葉での説明を聞きながらとることにも慣れてきて一回でできるようになる子どもが増えてきました。
★2月: 「6段はしご」「5段はしご」「あみ→琴→ハンモック→バリカン」
~「日本には美しいあやとりが幾つもありますが、その中でも私が大好きなのが「あみ」です」。じっと見つめる中、完成した「あみ」を見せると「きれい!」「すげぇ~」と言う声があちらこちらから聞こえてきました。男の子も女の子も気に入ったあやとりです。みんな熱心に完成させていました。
★3月: 4年生のリハーサル。リクエストで「山の上のおつきさん」「月にむらくも」
~4年生9人が近くの老人施設を訪問することになり、気に入りのあやとりをそれぞれに決めていました。そこで、下級生がおじいちゃんおばあちゃんになってリハーサルをしました。
赤いあやとりひもを手にした4年生はちょっと照れながらも「コーヒーカップ→東京タワー→お面→ネックレス→豆電球→ものさし」「あみ→琴→ハンモック→バリカン」「トンネル (塩の家)」「2本ぼうき→干し柿」「トレス海峡のトカゲ」「ひもぬき」「カメの子→ゴム→飛行機→指ぬき」「4段ばしご→東京タワー」を披露してくれました。下級生から大きな拍手をしてもらい、うれしそうでした。

以上いるか児童クラブでの活動でした。

青木萬里子@ISFA 2014/03/24

「第12回スーパーあやとりの会」 2014/02/01

「第12回スーパーあやとりの会」を、2013年12月1日 (日) 2時~4時 千葉中央おやこ劇場事務所にて開催しました。

今回の参加者は5名。上級の3名 (ベテラン!?の小6が2名と最近めきめき上達している年長1名)、初級の1名と初参加の1名の2グループに分かれてあやとりをしました。

上級は「日の出」「こぶた」「ブロスバードの家」「アムワンギヨ」、初級は「蚊」「ふじさん」「ウインク」に挑戦。動きのあるもの、タイトルが難しいもの…毎回あやとりの奥深さに驚きます。

上級は石野K16先生と次々と進みます。初級は石野稔子先生手作りのおおきな「糸のとりかたの紙」をみながらゆっくりと進みます。いつも一番小さかった子がお姉さんとなり、やさしく糸の取り方を教えているのをみると、こどもたちの成長を感じることができ、とても嬉しくなります。

1月の国際あやとり協会の「新春あやとり会」にも2組の親子が参加予定で、楽しんで得た新技!をみんなで共有したいと思っています。

木下文子@NPO法人千葉中央おやこ劇場

「スーパーあやとりの会」@千葉 2013/11/15

「スーパーあやとりの会」は、国際あやとり協会の石野恵一郎さん稔子さん夫妻の指導のもと、《NPO法人千葉中央おやこ劇場》が開催しています。千葉中央おやこ劇場は、生の舞台の観劇会やキャンプ、科学教室などを子どもと親で活動しているNPO法人です。あやとりは、稔子さんの実妹の高田芳美さんの勧めで始めてから11月で3年目に入ります。約2か月に1回、多い時で20人、少ない時には5人ほどの幼児から大人たちが、2時間かけて5つほどのあやとりに挑戦しています。石野先生から教えていただく世界のあやとりに魅せられた小6の3名が、3回の検定を経て「あやとり指導員」の認定書をもらうことに至り、現在は先生方の助手をしています。

10月5日に通算11回目の活動を行いました。今回のお題は、「ふじさん」、「はたおり」、「7つのダイヤモンド」、それから以前の復習で「ねずみのかお」、それからもっと高度なものをしたい子は「歩く犬」までを取り組みました。年齢や親しんでる時間によって習熟度はちがい、すべてのお題を参加者全員ができる回もあれば、ひとつでもできたらよいねという回まで。ただ、一度修得したものは、手が覚えていて忘れていても思い出せるようです。

今後は初心者から上級者までが一緒に楽しめ、かつ上達できるよう工夫したいと思っています。

木下文子@NPO法人千葉中央おやこ劇場

今年も元気に「ゆびは まほう使い」~第11回善気山・遊びの寺子屋報告 2013/08/31

関東から西では連日35、36度の気温を記録し、四万十市では観測史上最高の41度を記録しました。テレビでは高温情報として、各地の気温や熱中症で搬送された方の数字が流れていますが、処暑を過ぎた頃から秋の虫たちが鳴き始め、秋の訪れを感じることがでるようになりました。皆様はいかがお過ごしでしたか?

今年催さも7月28日 (日)~7月30日 (火) の3日間、京都・法然院で「善気山・遊びの寺子屋」が開れました。7年目の今年はどのようにアピールをしようかしら? 効3枚の手作りあやとりタペストリーは世界のあやとりもひと目で分かるので果抜群むすです。例年通り一役買ってもらいましょう。それから、あやとりめんて??になって、お迎えするのはどうかしら?「じぇじぇじぇ!!」なおっしゃらずにこういうことです。

襟首に大好きな橙色、おしゃれな段染めの糸であやとり「菊の花」を3ツあしらったTシャツを3日間のユニホームにすることにしました。あやとりは身につけることもできる素晴らしい装飾品!!さて、どのような反響があるかしら・・。

そして、なんと言っても今年は6月に「世界文化遺産」に登録された「富士山」ですね。海外からの旅行者も頂上を目指す富士山!!美しい「富士山」を歌や絵に収めるだけでなく、昔の人はあやとりでも表現していることを是非、知ってほしいし覚えていただきたい・・こんな意気込みで迎えた「ゆびはまほう使い!世界のあやとりであそぼ!いろんな発見ができるよ」は13時半~16時までの暑~い時間帯に涼しい南書院で行われました。

7月28日 (日) 参加者の中から (以下同様)

《5年生の女の子》

「今年、世界文化遺産になったのは何でしょうか?」と尋ねると、さすが5年生「富士山!」という答えが即、返ってきました。早速、挑戦です。1回ねじりから始まる「富士山」、四角い枠の中にできる「富士山」。出来上がると、指を逆さまにしたりして眺めているので「いいね!・・それって逆さ富士!、湖に写っている富士山だね」。

私のお気に入りの「山の上のお月さん」を見せながら、「富士山の頂上に朝日が昇ってきた時の富士山をダイヤモンド富士って言うんだよ。それにそっくりだからダイヤモンド富士という名前、今、思いついちゃった!」「私もダイヤモンド富士できた!山のひもをはなして首に掛けるとダイヤモンドのネックレスみたい・・」「それもいい思いつきね・・素敵!」

《シンガポールの二人の学生達》

小さい時、あやとりはやったことがあると言って、「かめ→ゴム」をスイスイ取りながら、途中、日本ではダイヤモンドという形をシンガポールでは「蜘蛛の巣」と呼ぶことを教えてくれました。二人あやとりも見せてくれました。私が取るとびっくりして「同じなの?」とシンガポールさん達は驚いていました。2種類の「富士山」、「東京タワー」、「ほうき」などの完成した形を写真に収めていました。それから、記念にみんなで一緒にハイ、キューイ・・素敵な写真が撮れました。日本の旅のお土産話になっていることでしょう。

《スペインからの家族》

子どもの時にやったことがあるというママと娘さん。パパは初めての体験。パパはあやとりユキジーが担当。「東京タワー」なら大丈夫かな?と軽い気持ちで始めたようですが、パパは「指がなかなかゆうことをきいてくれない・・」と苦笑い。でもパパは頑張りました。娘さんはママに「ほらっ!見てみてパパ、東京タワー!」。ママと娘さんは、それを見てワッハッハと転げんばかりの大笑いでした。周りを笑いの渦に巻き込んで、こちらもお見事!素敵な思い出になったかしら?

《スペインの青年達》

「ぼく、できるよ!」と積極的に参加。周りにいた子どもたちも女性軍も視線はこの青年へ。明るくさわやかにチャッチャッチャッと手のひらに二重巻きをしたかと思ったら二人あやとりの「つり橋」の形を差し出すと、座っていた熟年さんがひもに吸い込まれるように次から次に取り合って行くのです。

青年の手からひもが相手に移ると、青年はそのたびごとにすごい!同じなんだ!といった感じの表情をしながら、二人あやとりは盛り上がり、見ていた女性軍は口々に「へっ~スペインにも二人あやとりあるんや~」、「知らなかったわ~」。

小学生の女の子に「スペインの人とやってみたら?」と誘うと喜んで二人あやとりをしていました。もちろん私も取り合いましたよ。友だちのスペインさんは彼の知らない特技を発見したかのように終始ビックリ、大笑いでした。プレゼントの山吹色のあやとりひもがスペインに帰ってからも活躍することでしょう。

7月29日 (月)

《中学生の女の子と5年生の女の子》

今年で3回目の中学生は「お母さんから教わったよ。2段ばしごから猫になるあやとり・・」(「コーヒーカップ→ちょう」の途中の形を2段ばしごと言っていました) を見せてくれました。そして、私のTシャツの「菊の花」を指さして「そのお花きれいだからやりたい」。かたわらで昨日の「富士山」「ダイヤモンド富士 (山の上のおつきさん)」「1段ばしごから6段ばしご」をおさらいしていた5年生の女の子も一緒に挑戦です。「菊の花ってすごく可愛いね!」と何度もおさらいをしていました。やっぱり女の子ですね。

《6年生の男の子と2年生のお兄ちゃんと4歳の妹とおばちゃん》

昨日も参加して顔なじみになった6年生の男の子と3人で息を合わせて「パ~ン!」と言いながら「パンパンほうき」を得意そうにやっているところに、イギリスの女性とメキシコの男性が加わりました。すると3人は早速、あやとり先生になって何度も何度も見せてあげていました。そして、「ぱんぱんぼうき」の完成です。二人は大喜び。両手をパット広げると手のひらの中にほうきが出来上がっているのですから感動ですよね。

この楽しげな様子を見ていたおばちゃんが「すごいのが出来るのね~。孫を驚かせたいから、私にも教えて!そのパ~ンがいいわね。格好いい!」。3人の「パ~ン!」にますます勢いが付くと、おばちゃんも子どもたちに負けない勢いで「パ~ン」と手品のようにほうきを作っていました。今頃、おばあちゃん株が上がっていることでしょうね。

7月30日 (火)

《1年生のA子ちゃんとおかあさんとそのお友達のR子ちゃん》

A子ちゃん「R子ちゃん!ふたりあやとりしよう!」。R子ちゃん「わたし、この菊の花をつくりたいの」と私の方に向きを変えて挑戦開始です。R子ちゃんは「出来るようになるまで一人でやってみる!」と言ってくり返しおさらいをしていました。「わたしね、去年あの女の子 (タペストリーを指さして) が可愛かったから、「カニ」を覚えたんだよ。今日はTシャツの花がきれいだから頑張るんだ」と菊の花びらを一枚一枚丁寧に整えながら話してくれました。A子ちゃんは「二人あやとりしよう」とお母さんを誘いゆったりと楽しんでいました。心温まる光景でした。

《1年生の男の子と4年生のお姉さんとお母さん》

顔なじみの家族です。お姉さんは『たのしいあやとり中級編 (野口廣著)』の「2階建てのシベリアの家」を昨日マスターし、今日は「ライアの花」に挑戦です。外国のあやとりには日本のあやとりにはない少しややこしい指の動きがあるので、なかなか思うようにはいかず、私の出番です。「そういうことか・・難しいね!」と頑張りました。弟も本を見ながら根気よく挑戦します。お姉さんとお母さんは本を広げながら「大きな家」に挑戦です。「1,2,3,4・・5行程はどうなるの?」と何度もくり返し声がかかります。私も何だか分からなくなって、3人で声を出して読み合わせながら何とか出来た時には「出来た!こんなあやとりもあるんだ!」と心から感動していました。そこに弟も加わって、ひもをつまんで「大きな四角」、「ゆうれいの家」、「山」を作りました。そこでなぞなぞです・・「山の中に三角形はいくつあるでしょう?」。お母さんは「こんなあやとりもあるんですね」と驚かれていました。あやとり大好き家族は大発見の連続でした。

海外からの旅行者が昨年以上に増えたことがマスコミでも取り上げられていましたが、京都の街中の様子や法然院へ立ち寄る旅行者からも納得できました。苔むす清閑とした緑の庭から南書院に一歩入ると、楽しそうな声が弾む「寺子屋」です。風呂敷のコーナーでは瓶を包んだり、バッグになるのを見て興味津々の様子です。奥には絵本コーナーがあり、子どもたちがお母さんの膝でうっとりと絵本に見入っています。そして真ん中はあやとりコーナーです。こんな様子をキョロキョロと見回しながら縁側を歩く海外からの旅行者に「あやとりはやったことありますか?どうです、やってみませんか?」と英語で誘うのはあやとりユキジーの役目です。おかげで海外の方がたくさん参加してくれました。海外の方が参加してくださることで、世界中に共通のあやとりがあることや、「二人あやとり」は多くの国で日本と同じ取り方をして楽しんでいることを自信を持ってお話しできることはとても嬉しいことです。皆さん、ありがとうございました。

たとえ言葉が通じ合わなくても、見よう見真似で指を動かしたり、また「この指よ・・」と教えてあげて、ひもをかけ直したりしてお手伝いをすると見事に完成です。「おーっ!」と感嘆の声、それから大笑いや微笑みの輪がひろがります。みんなを心地よくさせてくれるあやとりの力ってすごい!と思う瞬間です。

今年も収穫いっぱいの「遊びの寺子屋」でした。法然院の皆様、法然院・森のセンターの皆様、講師の皆様、そして今年も参加してくださった多くの皆様、ありがとうございました。また来年の夏、お会い致しましょう。

青木萬里子@ISFA 2013/08/29

「あやとり・まりこ」その6 2013/03/28

いるか児童クラブ

公益財団法人藤沢市みらい創造財団の《いるか児童クラブ》には、1年生から4年生まで72人が在籍、40人ほどが1、2年生のクラブです。地区の小学校の図画の時間にあやとりをする機会があり、《いるか児童クラブ》でもあやとりができたらと考えた知人が声を掛けてくれたのがきっかけで、2012年1月から自由参加の形で指導を始めました:「コーヒーカップ→東京タワー」・「かめ→ゴム→指ぬき」・「あみ→こと」・「ほうき→やぶの中の一軒家」・「スカイツリー」・「耳の大きな犬」。

9月からは全員参加の「あやとり教室」として月1回程度取り組んでいます。いつも「やっ!まりこさん!」「あやとり練習してきたよ」などと友だちのように声を掛けてくれたり、指導員の先生を中心に復習しながら待っていてくれるやる気満々のあやとり教室です。ありがたいです。

★「あやとり教室」で取り組んだあやとり
9月:「月にむらくも」・「山の上のお月さま」
10月:「やさしいゴム」・「せんす」・「わ抜き」・「ひもうつし」・「菊」
11月:「ちょうちよ→ねこ」・「ふじさん」
12月:「もちつき」・「紙芝居→茶碗」
1月:「2段はしご」・「1段はしご」
2月:「3段はしご」・「かに→納豆→女の子」
3月:「4段はしご」・「5段はしご」・「6段はしご」

16時から17時15分頃までの長い時間ですが、あやとりを習得する時と友だち同志で教えあう時には多少の気分転換をしながら上手に時間を使っていきます。さすが小学生です。曜日によっては参加者も参加人数も異なるので、復習をしながら楽しんでいきたいと思っています。

《いるか》のみなさん!ありがとう! 新年度も日本のあやとり、世界のあやとりに挑戦していきましょう!

青木萬里子@ISFA 2013/03/25

「あやとり・まりこ」その5 2013/03/28

湘南学園幼稚園《年少さんのある日》

「種も仕掛けもありません」おなじみの山吹色の毛糸を両手の中でくるくる回してパッと開いて見せると「おだんごみたい!」すぐ真似っこが始まります。
誰かさんがお団子のひもを引っ張って「食べちゃいました!」
「拍手!あやとりひもって手品も出来るんだね。」

そして親指と小指に掛けてできた長四角を見せて何にみえるかな?
「電車みたい」、「ドアーも四角だよ」、「プールも」、
「拍手!四角い形たくさんあるね。よく考えたね。」

次に両親指に掛けたひもの1本を口にくわえて三角にして何に見えるかな?
「お山!」、「おにぎり!」、「ぼくのはサンドイッチ」、「扇風機にも似てる!」、
「拍手!あやとりひもは色々なものに変身しま~す。」

真似っこさんが「あやとりのひもちょうだい!」と増えてきて「あやとりまりこ」は大繁盛。
「三角あやとりダンスで~す。ぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅっ、」と正三角形、二等辺三角形、直角三角形など色々な形に動かすと真似っこさんたちは寝っ転がって足まで使って大はしゃぎ!
「拍手!あやとりひもはダンスもできま~す。」

最後は「あやとりの「始まりの形」を作ってみましょうね。山吹色だから油揚げみたいになりま~す。できるかな?」。真似っこさんたちの中には小指からひもが外れそう!
「拍手!指をピンと立てると美味しそうな油揚げの出来上がり!上手、上手!油揚げ名人になったね」。にこっとしながらちょっぴり得意そうにあやとりひもを手首に巻いた年少さんでした。

《年長組》

あやとりに挑戦をする年長さんに「コーヒーカップとは作り方は違うけど似た形を南アメリカでは「ワニの口」と言って相手の手首を捕まえる遊びがあるんです」。みんなで楽しんだこの遊びがあやとり盛り上がりのきっかけとなったようです。

「もとの形」を友だちと重ね合って「大きなクモの巣ができたよ」と得意そうに男の子たち。「三段はしご」を二人でクロスさせて「とんぼみたいだね」と発見を喜ぶ女の子たち。

創作「腐ったバナナ」を考えたW君。「どうして腐ったバナナと言う名前になったの?」「バナナってさピンとしてるでしょ。考えたバナナはだらんとしてるから腐ってるんだよ!」 私も教わって取ってみました。「なるほどすごい!このバナナすごく甘いかも!」

【腐ったバナナの取り方】
中指のかまえ→両親指で中指の向こう側を下から取る→両小指で中指のこちら側を下から取る→両親指と両小指に掛かるひもをナバホ取り (下のひもを上のひもを越えてはずす)→中指のひもを外す→外したひもを締める (真ん中に寄ってくる)→両親指と両小指のひもを外す→真ん中をつまんで持つ→「腐ったバナナ」のでき上がり。

行き帰りの江ノ電電車でお母さんとあやとりをしていたRちゃん。老婦人に「あやとり上手ね。とっても懐かしいわ。どちらの幼稚園?」と声を掛けられたり、観光旅行の外国人に「日本の文化すばらしい!」とほめられて得意の「ひとりあやとり」を披露したそうです。「子どもの時にできなかったあやとりを、子どもに教わっているんです。私が夢中になってますね」とお母さん。

さいとうたま著「あやとりいととり」の多くができるようになったA君。卒業式の前日に「連続はしご」に挑戦開始。もっと時間があったら良かったね。たくさんのあやとりに出合ったA君「あやとりってふしぎ!昔に考えたのがふしぎ!」

今年も可愛らしい姿がいっぱいで、あやとりまりこは楽しかったです。ありがとう!

青木萬里子@ISFA 2013/03/25

十二支のあやとり -12 2013/01/01

明けましておめでとうございます。

恒例の十二支あやとりのご紹介も最終回となりました。今年はヘビです。

このシリーズの1回目に「ヘビ」も取り上げましたので、ここでは1種だけ追加しておきます。ガイアナのワラウの人々の伝承あやとりです(*)。「ヘビ」としか記録されていませんが、鎌首をもたげた恐ろしげな毒ヘビのように見えます。

ISFA設立者の野口廣が主催する「あやとり会」も7年目を迎えました。次世代へのあやとりの伝承を目的として始めたこの会は、老若男女が集い楽しむ、今の時代には珍しい世代間交流の場として定着しました。指導員育成も行っていますので、興味のある方は、どうぞご参加下さい。次回は1月19日に開催されます (イベント情報はこちら)。

今年も、あやとりについての情報提供など皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

(*) Roth, W.E. (1924) "String Figures, Tricks, and Puzzles of the Guiana Indians." Washington, D.C, Bureau of American Ethnology, Annual Report 38:500-50.
Ys

『第3回あつまれ!秋のキッズフェスタ』 2012/11/26

『第3回あつまれ!秋のキッズフェスタ』~やってみよう なかまとともに 大空のもとで~(主催:国立青少年教育振興機構) が10月27日 (土) に開催されました。木々の葉がうっすらと赤い色に染まり、都会にも秋の訪れを感じさせる青空のもとで野外イベントにふさわしい一日となりました。

代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターの広場には、豆つまみ、タオル絞り、金魚すくいなどの競い合う遊びのために20テントが張られ、また、木登り、古代の火おこし、小動物との触れあいなどの色々な遊びや体験が出来るコーナーが設置されました。中央のステージ前広場では、ダンスやフォークダンス、あやとりが参加型パフォーマンスとして企画されました。あやとりステージは2回:①11時25分~11時45分、②13時25分~13時45分。

「こんにちは!ご一緒にあやとりをしてみませんか?」のアナウンスと同時にスタッフの方から参加賞の濃い桃色のあやとりひもが配られ、子どもや大人の方が30人程集まり『青空あやとり会』が始まりました。3世代家族総出で参加している方や親同士誘い合って参加している方などが多くにぎやかな楽しい雰囲気が漂った野外会場でした。

「あやとりは世界中にあるんですよ。日本よりずっと古くから伝承されています」。皆さん、このことはいつもながら大変驚かれます。「ハワイの大きなさかな」「潮の満ち引き」「カモメ」「耳の大きな犬」などを紹介していくと見ていた方々から「指の動きがすごいな~」とつぶやく声や「耳の大きな犬」ではくり返し動く犬を見て拍手までしていただき場が盛り上がりました。緊張気味だった私の気持ちをほぐしてくれました。

「さあ!あやとりをしてみましょう」の参加コーナーでは、東京都内での開催と言うこともあり、「東京タワー」に挑戦してみました。口にくわえて出来上がる「東京タワー」では、すごいことが出来るようになった気分になるようで、小さい子たちは何度もお母さんに教わっていました。かたわらでお孫さんが困っていると、付き添い係のおばあちゃんの出番です。「キッズフェスタ」ならではの微笑ましい光景でした。

「次は今話題の東京スカイツリーをしましょう!」の呼びかけに、通りすがりの方々も興味津々の様子で足を止めていました。午後のステージでは男性の参加が目立ち習得したいという意気込みがびんびん伝わってきました。「ポリネシアの「アタヌアの家」というあやとりを立ててみたら東京スカイツリーに見える!と国際あやとり協会の川島さんが名付けました」。「東京スカイツリー」の形を見て「あれが、出来たらすごいよね!」「国際あやとり協会なんてあるんだ!」という声が聞こえてきました。くるくる手首に巻く始めの形に子どもたちが「これで良いの?」「どうやるの?」と何人もステージの周りに集まってきました。ステージを下りて一人一人にアドバイスしながら形を確認したり「もう一度しますね」とくり返し取り方を示すことで見事に「東京スカイツリー」が出来上がり嬉しそうでした。写真係の青木さんも大人の方々が四苦八苦しながらもくり返し挑戦する姿に思わず近寄ってアドバイス。その方の横に立って取り方を説明する方が分かり易いようで、何人もの方々が習得されていました。

アメリカからのシニアご夫婦にあやとりひもを手渡すとニコニコしながらやり始めたのですが「やりたい気持ちは充分あるけど指が思ったように動かないんです。でも、良い体験をさせてもらいました」と喜んでいました。

ステージ終了後も、子どもたちや大人の方から「教えて下さい」と声が掛かりました。『青空あやとり会』は、明るい秋の日差しのもと「キッズフェスタ」のスタッフの方々も加わって、終始なごやかな雰囲気で終わることが出来ました。みなさんありがとうございました。

このような機会を与えて下さった皆さまに心から感謝いたします。

青木萬里子@ISFA 2012/11/25